漢方薬とは何か
漢方薬を知るには、まずそのベースとなる“生薬”について知る必要があります。
天然に存在する薬効成分を含む植物・鉱石などを加工したものを生薬と呼びます。
漢方薬は、その生薬を漢方理論に基づき複合的に組み合わせたものになります。薬効の優れた組み合わせにはそれぞれに名前が付いており、それを漢方方剤と呼びます。いわば漢方薬の「レシピ」となります。
例えば有名なレシピの1つに葛根湯があります。
これは「葛根」「麻黄」「桂枝」「芍薬」「生姜」「大棗」「甘草」の7つの生薬から構成されています。
葛根湯をはじめとするレシピは、過去の文献に紹介されているだけでも数え切れないほど存在しています。
現代日本においては製品化されていたり、製造の許認可の取れている処方だけでも200以上もあります。
漢方薬の種類
大きく4種類に分かれ、ぞれぞれに特徴があります。
(1)煎じ薬
ご自身で、生薬を煮出して服用するタイプです。
当薬局では刻んだ生薬をティーバッグタイプの袋に入れて調剤してお渡ししております。
土瓶に水を500-600cc入れ、生薬を入れて30-40分煮出します。このとき、ティーバッグごと入れても良いですが、袋を開封し、生薬を取り出して煮出していただくと効果的です。(煮出して成分を抽出する際に、生薬が土瓶の中で対流することで抽出効率が良くなります。ティーバッグごと入れるとあまり対流しません。)
ご家庭によって火力が変わるので、時間より液量がおおよそ半分ぐらいになった頃を煎じる時間の目安としてください。
エキス剤と比べると効果が良いですが、煮出す手間がかかったり、風通しの良い場所で保管する必要があるなどのデメリットがあります。
(2)エキス剤
生薬を煮出したあと、凍結乾燥により成分だけを取り出し、賦形剤を加えたのち、顆粒状に加工したタイプです。加工の過程で、他のタイプに比べて効果が多少落ちてしまう場合があります。
出先に携帯したり、保存しやすいメリットがあります。
エキス剤は一度熱湯に溶かして飲んでいただくことをオススメしています。
即効性が期待でき、効果的に服用できます。
(3)散剤
生薬を粉末状にしたものを服用していただくタイプです。
生薬末をそのまま服用しているので効果が良いです。
(4)丸剤
生薬を粉末化したあと、賦形剤添加や乾燥等の加工を行い丸状にした製剤です。
生薬末をそのまま服用しているので効果がよく、ほかの剤形に比べて味がマスクされており、服用しやすいです。